2025.07.17 (最終更新日 2025.07.17)Directed by Amy
図書館は単に本を保管する場所ではありません。人類が築き上げてきた知性と時間が層をなし、それ自体がひとつの完結した世界を成す空間です。チェコ・プラハのストラホフの丘の上に、まさにそのような「世界」に出会える場所があります。それがストラホフ修道院図書館です。
今日は、ディズニー映画『美女と野獣』のモデルになったとも言われるこの伝説的な書斎、その中でも核となる二つの間についてお話しします。
バロックの神髄、神学の間
17世紀に建てられた「神学の間」は、足を踏み入れた瞬間、バロック時代の華やかさと精巧さで来場者を圧倒します。天井を埋め尽くす画家シアード・ノセツキーのフレスコ画は、「真の知恵を得るための闘い」というテーマを表現しています。
しかし、この部屋の真価は、その美しさを超え、当時の世界観を示している点にあります。部屋の随所に置かれた天文学や地理学関連の地球儀は、神学が全ての学問の中心であったバロック時代の知的探求心をそのまま証明しています。
圧倒的なスケール、哲学の間
「神学の間」がバロックの神髄であるならば、18世紀に建てられた「哲学の間」は、啓蒙時代の知的自信を象emboliしています。2階建ての巨大な空間と、オーストリアの修道院から丸ごと移設されたクルミ材の書架がもたらす壮大さは、まさに壮観です。
この間の天井画は、フランツ・アントン・マウルベルチュの作品、「人類の知的発展」です。科学と哲学の発展を通じて神に近づこうとする人類の旅路を描いています。ここでは、宗教を超え、人間の知性の偉大さに対する畏敬の念を感じさせられます。
観覧のための最も重要なヒント
この場所を訪れる前に、必ず知っておくべき事実があります。それは、一般の入場券では、これら二つの美しいホールの「内部」に入ることができないという点です。来場者は各ホールの入口から、中を覗き込む形でしか鑑賞できません。
ホール内部を直接歩くという特別な体験を望むなら、必ず事前に修道院側へEメールで**「特別ガイドツアー」**を予約しなければなりません。この予約は非常に限られているため、少なくとも数ヶ月前から準備することをお勧めします。この特別なツアーの価値は、一般観覧とは比べ物になりません。
ストラホフ修道院図書館は、本を読む場所ではなく、「時間」と「知恵」を読む場所です。
数百年にわたって蓄積された知性の重みとバロック芸術の頂点を、あなたのプラハ旅行で最も印象的な瞬間として心に刻んでみてはいかがでしょうか。
見るだけはもうやめて、
WAUGで世界を旅しよう!